楽しく好きなことを-胸膜中皮腫患者の前向き一辺倒-闘病記~死ぬまで元気です/57 右田孝雄

皆さん、こんにちは。お元気ですか?

私は少し元気を取り戻しつつある感じです。やはり母が亡くなってからひと月以上経過しますが、未だにポカンと心に穴が開いたような日が続きます。今まで多くの仲間を失い、そのご家族の悲しみを見てきて、その深い悲しみを私も理解してきたつもりでしたが、自分がそちら側になって分かりました。理解していた以上にツライものでした。一時は母の遺影を見るたびに涙していました。

ようやく少しずつ気持ちも落ち着いてきたかと思います。

私が昨年末に胸膜癒着術で酷いことになったのはVol.54で書かせていただきました。その時話したIMRT放射線治療も2月27日からH医科大学病院で始まり、片道1時間30分の通院を33回無事終了致しました。この通院には皆さん心配してくださいましたが、元ドライバーの仕事をしていたのでその辺はガムを噛んだりコーヒーを飲みながら走っていたら慣れました。ただ1時間30分かけて行って、放射線照射はわずか10分程度ですから、なんか勿体ない気にもなりますね。時々、病院内で患者さんとお会いするんですが、声を掛けられると嬉しいものですね。せっかく遠い通院をしているんですから、患者さんと3階のタリーズでコーヒーを飲みながら話をしたり、時々先生方に話を伺いに行ったりもしました。今後のセミナーや治療のことなど話す時間もあったので、それは良かったですね。

IMRT治療の効果はというと経過観察中なので、効いているかと言われたらまだ分からないです。実はIMRT治療をするということで、その前に遺伝子パネル検査をしないかと医師からの提案があったので、針生検をして組織を採取し、遺伝子パネル検査を受けました。

遺伝子パネル検査にはなるべく新しい組織が必要なのですが、私は最初に生検をしてから7年経過しているので、新たな組織を再度採取する必要があったので、今まで遺伝子パネル検査をしようとは思いませんでした。再度生検をすると、生検で開けた穴から腫瘍が発現するリスクもあるからです。では何故、今回生検に応じたかというと、生検してもその部分はちょうど放射線を照射する場所ですから、万が一腫瘍が穴の近くに落ちたとしても、それを放射線で叩くことになるからです。

遺伝子パネル検査をすることにより、自分に合った薬が見つかるかというと、その可能性は8%ほどだと言われています。しかし、もし自分に合った薬が出たときはすぐに対応もできますし、またこの検査でオプジーボやキイトルーダが奏功する可能性があるかも判明したりもします。

現在治療中の患者さんで標準治療が終わってしまった方、終わる見込みの方は是非お早めに遺伝子パネル検査を受けることをお勧めいたします。

皆さん、私は死ぬまで元気でいられること以前に、まず元気に生き延びることを考えています。私の往生際は悪いですよ。

関西労災職業病2023年4月542号

悪性胸膜中皮腫と言われてどこまで生きれるかやってみよう!とおかげさまで5年経過達成しました~平成28年7月突然の「悪性胸膜中皮腫」確定診断。その後「中皮腫サポートキャラバン隊」中心に全国行脚を展開しながら治療を続けてきました。これからは目指すべきものの達成に向けて鋭意活動中です。(右田孝雄氏のブログ)

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