白浜でパンダ-胸膜中皮腫患者の前向き一辺倒-闘病記~死ぬまで元気です/58 右田孝雄
皆さん、こんにちは。お元気ですか?
私はようやく元気になってきました。
母を亡くした悲しみはなかなか癒えませんが、母の四十九日も終わりゴールデンウィークを迎えたので、妹家族と一緒に白浜へ一泊旅行に行ってきました。高速道路が延伸して自宅からはなんと1時間半ほどで白浜に行けました。子供たちが小さい頃によく白浜アドベンチャーワールドに行ったんですが、あの頃はまだ高速道路もまだ途中までで3時間くらいかかったものでした。途中で必ず渋滞に捕まり、運転もしんどかったのを覚えています。でも今回は、兵庫医科大学病院へ1時間半かけて33回放射線治療で通院したこともあり、割と楽に行くことができました。
今回の目的は、母を亡くして色々な面で大変だった各々が美味しい料理を食べて、温泉でいやそうということでした。しかし、私は旅行に行く前の診察で、放射線科の担当ドクターに「肌がつるつるするようなアルカリ性の泉質はダメです。また感染症にも気を付けて欲しいのでできるだけ控えて欲しい」と言われてしまいました。そんな注意を受けながらも、家族には伝えず予定通り、家族8人車2台で行きました。
まず向かったのは、パンダを見に行こうということでアドベンチャーワールドでした。昨年の11月に鳥インフルエンザの影響で園内の鳥60羽ほどがいなくなったそうです。その代わりなのか、入園してすぐにパンダが暮らす施設を見ることができました。パンダはどの子も美味しく笹を食べていたり寝転がっていたり、今の私たち家族を十分にいやしてくれました。その後、イルカショーを観たりケニヤ号でサファリパークを周遊したりもしました。今までなら進んで乗ったジェットコースターは、さすがに中皮腫によくないと判断して、83歳のオヤジと二人でほかの家族を見ていました。
動物に十分いやしてもらって、夕方に予約したホテルへ行きました。医師から温泉は控えて欲しいと言われましたが、やっぱり来たからにはと思って入ったもののやはり気になり、10分ほどで露天風呂を出て身体を洗って出ましたね。他の家族は深夜や朝風呂にも入ったようでしたが、私はその一回だけで諦めました。もう一つの楽しみはというと、食事ですね。今までバイキングとか食べ放題と聞いただけで喜び勇んで思いっきり食べていたのですが、これまた最近食欲はめっきり減ってしまいまして、ワンプレート取って食べたらもうお腹いっぱいでした。後はアラサーの子供たちの食欲を見て圧倒されるのが関の山でした。
翌日は土産物を見て、渋滞に巻き込まれないように帰ってきました。
中皮腫に罹患してもうすぐ丸7年、徐々にどこかしこ悪くなってきているのが旅行ひとつで分かるものですね。
でも皆さん、私は死ぬまで元気にやりたいことやりますよ。
関西労災職業病2023年5月543号