中皮腫治療への「期待」が「現実」になるとき 胸膜中皮腫患者の前向き一辺倒-闘病記~死ぬまで元気です/29 右田孝雄

皆さま、お元気ですか。今年のプロ野球も始まったと思ったら、あっという間にマジックが付いちゃいまして勝負あったというところまで来ましたね。つい先日まで暑い暑いとエアコンをガンガン付けていたと思ったら、10月になってめっきり涼しくなりましたね。

最近マイブームなのが、夕方から行く魚釣りでして、自宅から僅か5分の距離に海水浴場があって、秋になるとそこの防波堤がいい釣り場と変わります。そこで夕方の4時ごろから2時間ほど、何も考えずに釣りに集中するのがいい気分転換にもなるんです。専らサビキ釣りで、アジやイワシが良く釣れます。今年最初に行った日は、15~20センチ程度のアジやサバが大量に釣れたので、何も用のない時は進んで釣りに行きました。しかし、その日以来大量の日はなく最近はあの時のことを思い出しては、暇を見て通っています。実は、密なんて気にしなくて良いほど、人も殆んどいない田舎の海なので解放感に満足しています。今はどこに行っても、マスクに消毒、うがいの励行でギクシャクしていますから、ここはまさに今の私にとっては、のんびり考える場としては最適です。

さて、9月30日付けで兵庫医科大学より、「~新たな治療の開発を目指して~悪性中皮腫(胸膜以外)に対する医師主導型治験を開始」というプレスリリースが発表されました。私たち中皮腫サポートキャラバン隊が、昨年4月から取り組みました「腹膜・心膜・精巣鞘膜へのオプジーボ(ニボルマブ)の使用の承認について」の署名で、皆さんの協力を得て集まった8,392筆を昨年末厚労省へ提出させていただきました。まさにこの取組がようやくスタートしたと言えます。これも偏に署名活動に携わっていただいた方々や、治験にご尽力いただいた医師の方々や関係者の皆さまのご協力の賜物です。

胸膜以外の中皮腫患者は、標準治療がなく、現在の治療方法は胸膜中皮腫の標準治療に準ずる形で進められています。ただ、オプジーボに限っては、大人の事情もあり、各病院共はオプジーボの使用に二の足を踏んでいたので、胸膜以外の中皮腫患者にとっては本当に喜ばしいことだと思います。

この治験への被験者が早期に集まり、また奏功されることを願うばかりです。そのために、我々中皮腫サポートキャラバン隊は、治験への協力を惜しむことなく、対象患者さんへのアプローチを勧めていきたいと思います。

また、胸膜中皮腫においては、間もなく製薬会社からオプジーボ+ヤーボイの承認申請が出されると思います。こちらも承認要請が出された際は、我々も「早期承認の要請」を厚生労働省含め、関係各所へ提出する予定です。

※承認申請が、10月27日におこなわれました。
オプジーボとヤーボイの併用療法の「切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」への適応拡大承認申請~中皮腫治療の新たな前進

ある医師が「現在の中皮腫は20年前の肺がんの治療と同じです。20年前の肺がんは治らない病気として見られていたが、今は5年生存率も飛躍的に伸び、根治する患者も出ている。中皮腫は今後飛躍的に治療法も出てきて、患者さんも治療の選択肢の幅が増えていくでしょう」と仰られています。私もそう思います。どこまで行けるか分かりませんが、私はそれを見届けるために、これからも頑張りたいと思います。

筆者ミギえもんのブログ「悪性胸膜中皮腫と言われてどこまで生きれるかやってみよう!」
中皮腫サポートキャラバン隊HP みぎくりハウス

関西労災職業病2020年10月515号