第2ステージ-胸膜中皮腫患者の前向き一辺倒-闘病記~死ぬまで元気です/51 右田孝雄
皆さん、こんにちは。
私は相変わらず元気ですと言いたいところですが、実は9月の初旬辺りから右脇腹に鈍痛が出てきて、それが徐々に断続的に起こるようになってきました。今までとは全く違う痛みにおかしいと右脇腹を触ってみたんです。そしたらなんと!肋骨の下の方あたりがポコッと腫れているんです。こりゃやばいと主治医に連絡しようと思ったのですが、主治医が一週間夏休みを取っていることを思い出し、翌週の診察日まで我慢することにしました。
それでもその週末に日本石綿・中皮腫学会があったのでそこで発表する私は、早めに会場へ行って、懇意にしてもらっている医師に相談しました。すると、やはりこの膨らみは早くCTを撮って調べて適切な治療をしなくてはいけないということでした。翌週の診察日にさっそく相談して、新しい病院を受診することにしました。さあ、私にとって第2ステージのスタートかと思ってます。
さてこの間ですが、9月17、18日に兵庫医科大学平成記念会館で日本石綿・中皮腫学会の学術集会が開催されました。ハイブリッド(リアルとオンライン)で開催されましたが、私は色々な先生方とコミュニケーションを取りたかったので現地に行きました。また初日の学術集会で6分、2日目の市民公開講座では20分の発表をすることになっていました。しかも、両方とも発表は最後の登壇でした。この発表の準備も以前からしていましたが、石綿健康被害救済小委員会も8月下旬にあったので、そちらの準備も忙しく、話をする資料は作ってましたが、話の内容を覚えることはできず、当日は両日ともペーパーを持っての登壇でした。やはり壇上から見渡すと一気に緊張感が走り、この時ばかりは「自宅でオンラインで話した方がよかったかな」と思いました。
どうにか、発表も無事に終え、2日間の学会も終わりましたが、感想としては、腹膜中皮腫は胸膜中皮腫より明らかに石綿のばく露量が多い傾向があることから、女性の腹膜中皮腫の中には石綿が原因ではないものがあるのではないかとした発表があったこと、また、高分化乳頭状型中皮腫はWHOでは高分化乳頭状型中皮腫瘍に分類されたことで悪性化しない限り、救済制度の認定はされないということが発表されたことは活動をするものとして衝撃的でした。
他には、広島大学で行われている拡散医薬の開発の臨床試験や腹膜中皮腫の外科手術についての発表があったり、オプジーボ+ヤーボイの成果が著しい奏功を見せていることなど今までとは少し趣向も違う学会となったことで目の離せない2日間となりました。
今までは治療もワンパターンのものでしたので、積極的な活動もできましたが、これからは、自分の体のことも考えながらも楽しいことをどんどんしたいと思っています。
私はやはり死ぬまで元気でありたいです。
関西労災職業病2022年9月536号