中皮腫を治る病気に!-胸膜中皮腫患者の前向き一辺倒-闘病記~死ぬまで元気です/43 右田孝雄

皆さま、新年あけましておめでとうございます。

旧年中はコラムをご愛読いただき、誠にありがとうございました。今年も何卒ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

皆さんのご支援のおかげでまた無事?に新年を迎えることができました。というのも、昨年は年始早々蜂窩織炎で入院した悪しき思い出が脳裏を過りますが、年末にもマッサージに行って蜂窩織炎を再発させるという失態を犯してしまいました。年末入院覚悟で皮膚科を受診しましたが、血液のCRP値がまだ低いということで入院は免れたのでした。色々と皆さんからアドバイスをいただいて一年過ごしてきましたが、最後に気が緩んでしまいました。入院しなくてよかったのがせめてもの救いです。

昨年末に国立がん研究センター中央病院からがんの10年生存率が発表されました。主ながんの10年生存率平均値が60.2%だそうです。すごい数字ですね。どんどん治療法や新薬ができて、今やがんは治るものと印象付けているところもあると思います。しかし、私が罹患した中皮腫はどうでしょうか?

中皮腫という病気は、難治性希少がんと言われるだけあって、10年生存率は手術ができた患者でも1割ほどです。病院で確定診断を受けてから手術ができると言われるのは10人に1人か2人です。ほとんどの患者は手術ができません。その方々(私も含みます)も入れた中皮腫患者の10年生存率はほんの僅かとなるわけです。

昨年「中皮腫・アスベスト疾患患者と家族の会」で提言した「石綿健康被害救済法の改正に向けた緊急要求」の二つ目、治療研究促進のために「石綿健康被害救済基金」を一部活用してほしいという要求ですが、この生存率からも切実に願っています。ただ、この基金が治療に使えるようになったとしても、私はその基金を活用された新薬には間に合うことはないでしょう。治験から承認されるまでには数年間かかると言われています。私はそこまで生きていない確率のほうが圧倒的に高いからです。では、なぜ治療研究に基金の一部活用を訴えるのか、それはこれから罹患される方や子供や孫たちがもし中皮腫に罹患してしまっても、「中皮腫って治る病気になってよかったなあ」と言われる時代が一日も早く来てほしいからです。

患者の多いがんの治療薬が次々とできる中、一刻も早く中皮腫の新薬や治療法ができることを願い、この一年また精力的に頑張っていこうと思いますので、皆さんどうかご支援のほど、よろしくお願いいたします。

筆者ミギえもんのブログ「悪性胸膜中皮腫と言われてどこまで生きれるかやってみよう!」
中皮腫サポートキャラバン隊HP みぎくりハウス

関西労災職業病2022年1月528号