2022年は、With Coronaの安全パトロールを:全港湾大阪支部安全衛生委員会総会/大阪

2021年12月8日に全日本港湾労働組合関西地方大阪支部安全衛生委員会の定期総会が開催された。

11月末に多くの組合員が働く北港の日立物流で、3.8万平方メートルが全焼する大火災事故が発生し、薬品などが燃えることで、悪臭が発生したり、水や消火剤では消火できないなどの事情が重なり、鎮火に丸5日を要した。近隣で働く人たちとしては火災原因や扱う物品の消火方法など他人事ではないことから、会場のあちこちで同事故について口に上った。

総会はオンラインではなく、組合員が集まって実施することができた。人が集まることが忌避される状況が続き、会議も直接顔を合わせるよりもウェブを用いた会議が一般的になりつつある中、短時間でも集まって議論できる機会があることは貴重である。委員長のあいさつにおいても、安全パトロールが安全衛生委員会の重要な役割であることが改めて強調された。組合員が働く事業所でも重大事故の頻発していること、地震だけではなく地球温暖化に伴う自然災害が増加していることなど労働者の安全を守る活動がますます必要になってくることを踏まえ、安全活動の積極的推進が唱えられた。

昨年は産業重機の機械的欠陥がもとで腰部ヘルニアを発症した事故、コンテナデバンニング作業中に作業台から墜落し、頭部および腰部を強打したことから神経障害を負った事故について安全衛生委員会として個別事案に取り組んだほか、じん肺一斉検診も実施した。しかし、新型コロナウィルス感染症の感染拡大による「まん延防止等重点処置」が発令されたことにより職場の安全パトロールを延期せざるをえなかった。そのため安全パトロールを受け入れてきた各事業場にアンケートを依頼し、安全衛生チェックポイントへの回答を求め、併せて新型コロナウィルス感染防止対策の調査も行った。感染防止対策については各事業所とも積極的に取り組んでいるものの、マスク着用の徹底など実際の作業現場でどのように行いうるのか、作業環境も含めて現場に入ることではじめて把握できることもあるため、どのような形であれ安全パトロールの実施が望ましいと考える。

総会では個別の事業場における業務上の事故や疾病についても報告された。コロナ感染症に罹患した分会員の労災が認められたこと、労災多発事業所で痛ましい死亡事故が発生したことなど、安全衛生を議論する場にふさわしい話題が次々と挙げられた。職務上、労災事故には事欠かないが、事業所には事故防止に関する意識付けを徹底する必要がある。安全衛生活動を率先して行う事業所に転換していく働きかけも支部安全衛生委員会が担っており、今後の取り組みの活性化が期待される。

関西労災職業病2022年1月528号