「アスベスト絵伝」出版/絵手紙ライターが追いかけた泉南のひとびと

「アスベスト絵伝」作者の中村千恵子さん(右)と夫で絵伝編集・カメラ担当の伸郎さん

泉南アスベスト国家賠償訴訟のはじまりから、その記録と梶本政治医師の遺品を展示する「アトリエ泉南石綿の館」建設までを絵手紙に描き続けた中村千恵子さんの作品が「絵伝」となり出版された。

絵伝は、Ⅰ部・絵巻物写真集「泉南石綿の碑建立物語」とⅡ部「アトリエ泉南石綿の館」の2部構成、フルカラー115頁渾身の力作。夫伸郎さんはカメラマンとして絵手紙を撮影し、絵伝は二人三脚で制作された。

Ⅰ部では、2005年6月クボタショックに触発された泉南の人々が国を相手の国賠訴訟を起こし、苦心、苦闘の末に2014年10月9日ついに最高裁で勝訴判決を勝ち取り、そのいっさいのあかしとして「泉南石綿の碑」を2015年4月19日に建立するまでを描く。

Ⅱ部では、かつて地元で唯1人アスベスト被害に警鐘を鳴らし続けた開業医、故梶本政治医師の遺品と裁判の記録を展示する記念資料館の開館物語が描かれる。アトリエ建設を発起、奔走したのは政治氏の長男逸雄氏で、現在、泉南アスベストの会の共同代表であり、中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会全国事務局もつとめる。

12月4日、岸和田市の波切ホールの大ホールで開かれた出版記念パーティーには、裁判原告、家族、弁護団、支援関係者約100名が集まった。

中村夫妻は全国の図書館に絵伝を寄贈し、所蔵してもらう活動を精力的に続けている。

『アスベスト絵伝』 絵と文 中村千恵子
*お申し込みは泉南アスべストの会へ。
定価3000円(税別)
振込先郵便口座 記号009904 番号308874 泉南アスベストの会
〒590-0522 大阪府泉南市信達牧野1325-3
電話:梶本090-7968-0395、志野090-8126-6333、中村090-3703-7414
ホームページ:https://sennan-asbestos.com/

アスベスト絵伝 より