メソテリンー胸膜中皮腫患者の前向き一辺倒-闘病記~死ぬまで元気です/36 右田孝雄

皆さま、お元気ですか?私は相変わらず元気ですが、実は正直ちょっと心配事がありまして…。

先日、一カ月ぶりに抗がん剤投薬のために病院へ行ったのですが、そこで行なった血液検査で気になることがありました。血液検査は毎回行います。その中で私が毎回気にしているのは「メソテリン」という項目です。「メソテリン」とは、可溶性メソテリン関連ペプチド(SMRP)というもので、中皮細胞に存在し、中皮腫や卵巣癌、肺がんで発現が亢進すると言われています。健康体の数値は1.5未満とされています。私にとってはこの数値が結構目安になっています。

この数値、罹患直後は3.5くらいでしたが、抗がん剤を投薬中には最高1.9まで下がり、その後抗がん剤を休止し経過観察中は常に2.0前後を記録していました。しかしその経過観察も一年が経過すると、このメソテリンの数値があれよあれよと3.7まで上がっていったのでした。主治医は参考程度にと申しましたが、この時から私はこの数値をある程度アテにしていました。その後はメソテリンの数値が私にとってのバロメータとなっていたんです。抗がん剤投薬中はその数値は私の期待通りに下がり続けてきたんです。逆に副作用の治療中等で休薬中の際は確実にメソテリンが上がって行ったんです。

そして先日病院に行った時のこと、血液検査でメソテリンを図った際、前回は2.4だった数値が抗がん剤投薬中に初めて2.8へ上がったのです。これは私が推測するに、抗がん剤のアリムタにとうとう耐性ができたか、最近ストレスを抱える出来事があったのでそのための一過性のものなのかと思ったのです。しかし、主治医はやはりこの数値の上昇に、とうとう来たかというような不安そうな顔で私を見ました。「こうなると楽観視はできへんなあ」という主治医の言葉に苦笑いしながらも、今回ばかりはマジヤバいかもと思っている次第です。

今は新型コロナウィルスで不要不急の外出も自粛中、ここ最近はZOOM会議ばかりで身体も鈍ってきています。抵抗力も免疫も体力勝負なところがあります。美味しいものをしっかり食べて栄養付けて、次の一手を考えたいと思います。

コロナといえば、早くワクチンを打ちたいと思っています。知り合いの中にはワクチンを頑なに拒む患者さんもいますが、知り合いの医師に聞いたところによると、ワクチンをしないメリットはないと言っていました。もちろん私もそう思います。一緒に住んでいる両親を危険に晒す訳にはいきません。一日も早いワクチン接種を望みます。

筆者ミギえもんのブログ「悪性胸膜中皮腫と言われてどこまで生きれるかやってみよう!」
中皮腫サポートキャラバン隊HP みぎくりハウス

関西労災職業病2021年5月521号