死ぬまで元気です 1 胸膜中皮腫患者の前向き一辺倒-闘病記-余命2年と言われて5年目を生きる  右田孝雄

友人とパフォーマンス:右が筆者

こんにちは、以前中皮腫患者として「中皮腫サポートキャラバン隊」 で全国でピアサポート活動させてもらっているという記事を掲載してもらいました (本誌2018年1月号)。
今回からいただきましたコラム欄。 最初ということで、 この異彩を放つ金髪について書きたいと思います。さて、何故この年になって金髪なのか?中皮腫を発症して余命2年と言われて半ばやけくそっていうのもあったんですが、 バケットリスト(bucket list:死ぬまでにやりたいことをリスト化したもの) を作っている時、 やったことがないとんでもないことを考えていたら、 ビートたけしさんや松本人志さんが髪の毛が薄いことを隠すために金髪にしているという情報を聞き、 私も抗がん剤で髪の毛が抜けていったので思い切って金髪にしました。
金髪にしてからエピソードがたくさんありました。 まず金髪にして2ヶ月目には、生まれて初めて「職務質問」というのを受けました。車でドラッグストアの駐車場に入った時、 後ろにパトカーがいました。 気にも留めず店内に入って買い物をして、 10分後に駐車場へ戻ると、駐車場の端にパトカーが停まっていました。変やなあと思っていたら、急にパト カーが私の車の前を遮るように止まりました。中から二人の警官が出てきて「こんばんは。 ちょっといいですか」 と言うと、 パトカーの後部座席に乗せられて免許証の提示、持ち物検査、挙句の果てに車の隅々まで調べられました。警官に「この金髪見て職質してんのか」 と聞くと、「パトカーの方見ていましたよね?」 ですって。 警官ももう少しマシな言い方なかったのでしょうか。 やっぱり人は外見の印象から入っていくんですよね。
『関西労災職業病』2018年4月<487号>

右田孝雄 (みぎた・たかお) 53歳
2016年5月胸膜中皮腫発症。 その後、 ブログでの発信で知り合った患者らと「中皮腫・同志の会」を立ち上げ、中皮腫患者の交流の輪を広げる。 17年7月盟友の栗田英司氏と運命的な出会いで「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」に入会、栗田氏と共に「中皮腫サポートキャラバン隊」 として患者のピアサポートに邁進中。野球は阪神タイガース。 好きなアーティストは桑田佳祐。モットーは「死ぬまで元気」。