死ぬまで元気です 2 胸膜中皮腫患者の前向き一辺倒-闘病記-余命2年と言われて5年目を生きる 右田孝雄

こんにちは、 中皮腫患者として「中皮腫サポートキャラバン隊」 を名乗って全国でピアサポート活動させてもらっています。
今回も前回の続きで私の金髪のエピソードについて書きます。 前回は職務質問を人生で初めて受けたのですが、やはり周囲の視線も変わっていました。 女性は必ずチラ見します。 そして目が合うとすぐに視線をずらします。 お母さんに手を引かれている子供は近づく につれガン見します。 すれ違って後ろを振り返っても暫く見ていることもしばしばあります。
東京でのことです。新橋駅近くの地上46階の夜景がとてもきれいなお店で患者仲間で食事をしました。私たちは当初、夜景の見えない場所で食事をしていたのですが、 食事が終わってお酒も入ってほろ酔い気分で、 一緒にいた女性二人が窓際に行き、夜景の写真を撮ろうとした時です。近くにいた10数人で来て座敷で飲んでいたサラリーマン風の男性らが、この女性たちにちょっかいを掛けてきたので、思わず私が後ろから顔を出して「何か?」 と言った瞬間でした。 女性の近くにいた4、 5人ほどが一斉に 「すみませんでした!」と頭を下げて、それ以降何もなかったように一切私たちに目を合わすことはなかったのでした。 これを見た女性二人は大爆笑で帰っていきました。
どうやらこの歳で金髪にしたら、 男性には、 関わらない方がいい危ない人と思われるのでしょうか。 やっぱり人は第一印象の見た目から判断されるんでしょうね。
『関西労災職業病』2018年5月<488号>

右田孝雄 (みぎた・たかお) 53歳
2016年5月胸膜中皮腫発症。 その後、 ブログでの発信で知り合った患者らと 「中皮腫・同志の会」を立ち上げ、中皮腫患者の交流の輪を広げる。 17年7月盟友の栗田英司氏と運命的な出会いで「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」に入会、栗田氏と共に「中皮腫サポートキャラバン隊」 として患者のピアサポートに邁進中。野球は阪神タイガース。好きなアーティストは桑田佳祐。モットーは「死ぬまで元気」。