死ぬまで元気です 20 胸膜中皮腫患者の前向き一辺倒-闘病記-余命2年と言われて5年目を生きる 右田孝雄

皆さま、 新年明けましておめでとうございます。
昨年は皆さまにはたくさんのご支援、 ご尽力を賜り誠にありがとうございました。 本年も明るく元気に頑張って参りますので、 何卒よろしくお願い致します。
まさかオリンピックイヤーの今年も元気に過ごせているとは、 実は中皮腫を発症した時は思いもしなかったのです。 2016年7月に主治医から「悪性胸膜中皮腫、平均余命2年」 と言われて、その時は東京オリンピックは見ることができないんだと諦めてしまいました。ところが、こうして少し痛みを感じたりはするものの元気に過ごせているのは、 皆さまのご支援や激励があったからだと思います。 この場を借りて御礼申し上げます。
私にはやって来ないと思っていたオリンピックイヤーを迎えることができたのですから、 今年もバリバリ動いて中皮腫患者のために「中皮腫サポートキャラバン隊」として頑張ろうと思います。そのために新たに「新・3本の矢」という目標を作りました。 この「3本の矢」 を達成することが今の私の夢でもあります。
一つ目は、「中皮腫の治療法の確立、新薬の開発の協力と要請」です。中皮腫患者が一番欲しいものは、 お金も大切ですが中皮腫を治せる治療法や特効薬です。 それができないのであれば、 1年でも2年でも元気に延命できるような治療法や新薬が欲しいのです。 もしそのようなものができるのであれば、キャラバン隊は全面的に協力 して一刻も早い承認を求めていきます。
二つ目は、 「石綿健康被害救済法の改正」です。その内容は、①救済給付金の増額、②命の救済を盛り込む、 ということです。 救済給付金の増額については、 最近では子育て世代の罹患も増えてきて、 治療や病状によって仕事を辞めなくてはいけない状況に陥っても、 救済給付金の月約10万円で生活していけるのでしょうか?労災認定された患者との差も開く一方です。 そんな理不尽なことが横行していていいのか私は疑問です。また、救済基金の中から見舞金と して出されている救済金ですが、 基金を命の救済にも使用して欲しいのです。つまり、救済基金の中から資金を援助して、 有効と思われる治療法や新薬の医師主導型の治験などに使用して欲しいということです。 これも一筋縄ではできませんので、 キャラバン隊として関係各所を回って要請、 協力を求めて生きたいと思います。
三つ目は、 キャラバン隊結成以来続けてきた「全国キャラバン」を今年も引き続き継続していくことです。 昨年は地方を中心に回りましたが、今年は患者の多い関東や関西の都市でも行います。
この「新・三本の矢」を中心に活動をしていきたいと思いますので、 ご支援賜りますようよろしくお願い致します。

(202001_506)