死ぬまで元気です 10 胸膜中皮腫患者の前向き一辺倒-闘病記-余命2年と言われて5年目を生きる 右田孝雄

こんにちは、 中皮腫患者として2016年7月に主治医から余命2年と宣告されました。昨年7月に無事余命の2年をクリアし、 現在延長戦に突入しているところですが、 身体に違和感はそんなにない現状です。 もちろんオプジーボも先日10回目の投薬をし続行中です。昨年末に奏功判定をした結果、幸いにもSDという判定で続行となりました。 奏効率SD(StableDisease)というのは平行線といいますか、 腫瘍が小さくもなっていないが大きくもなっていないという状態でした。 これは悪化していない状態なのでオプジーボ続行となる訳です。 そして、 今後もこの状態が続くのであれば一先ず2年で50回継続する予定です。先日主治医に、「50回に到達した後は終わりですか?」 と聞いたところ、 「あくまでも目安で、 中にはその後も継続する患者もいる」ということでした。その後どうなるかは、 今はまだ中皮腫患者で到達した患者がいないので、 そこに到達しなければ分かりませんよね。
さて、実は 「中皮腫サポートキャラバン隊」が制作した「中皮腫ポータルサイト」その名も【みぎくりハウス】を1月7日に一般公開することができました。 中皮腫になった患者さんの殆どが経験すると思うのですが、 「あなたは中皮腫です」と宣告された時、聞きなれない病名に誰かに聞きたくても知っている人は周りにいなくて、 ネットで調べても予後不良と書かれていて有用な情報はほとんどありません。 また、 社会保障を受けられることを知らないまま治療をしている方もいるのが現状です。そのような路頭に迷う患者さんを一人でも少なくするために、 中皮腫患者さんのための道しるべになるような 「中皮腫ポータルサイト【みぎくりハウス】」を制作致しました。
このサイトは3つの柱を中心に構成されています。
一つ目は「ピアサポートの取組」、昨年全国を回って患者さんやご家族と交流したり講演活動をしてきました。 もちろん今年も要請があれば全国どこへでも馳せ参じるつもりですが、 それだけでは全てを網羅することは不可能なことから、 様々な双方向の交流ができるように、 メール、 電話といったものからSkypeで自宅にいても交流が図れるようにしました。
二つ目は「中皮腫治療の医療情報」の提供で、 患者や家族はどうしても画期的な治療法や安心して任せられそうな病院や主治医を探している方も多いと思います。 そんな方にはここを見ていただいて今後の治療選択の参考にして欲しいと思います。
三つ目は 「各種の社会保障制度について」ですが、 ここでは中皮腫発症の原因はアスベストが原因とされ、労災や救済給付制度を受給できることはもちろんですが、 加えて介護保険や身体障害者手帳、 ヘルプマークなども説明しています。
この「中皮腫ポータルサイト【みぎくりハウス】」 (htps:/asbesto.jp)に立ち寄ってみて下さい。
『関西労災職業病』2019年2月(496号)