死ぬまで元気です 18  胸膜中皮腫患者の前向き一辺倒-闘病記-余命2年と言われて5年目を生きる 右田孝雄

皆さま、 こんにちは。
私は現在、 毎週末ごとに北は北海道から南は鹿児島までを 「中皮腫サポートキャラバン隊」として全国行脚で南下中です。途中、膵炎でテレビ電話での参加になったり、北海道の旭川では歯痛に悩まされたりと中皮腫以外の災難で苦慮していました。そんな中、 9月22日には愛知がんセンターで第一回「日本石綿・中皮腫学会(JAMIG)」学術学会があり、 その後に行なわれた市民公開講座で話させていただきました。 お題は「患者が医師に望むこと」で、 これまで私がお会いしたおよそ 100人の中皮腫患者さん達から伺った治療法の悩みや主治医との信頼関係の相談についてまとめて話しました。
当日は患者さんやご家族、 そして医療従事者の方々125人が来場し、私は患者の代表として医師に望むことを講演で伝えましたが、患者側、医療従事者側そのどちらも席で聴いていると思うとやはり緊張しました。 それでも終わった後、 知り合いの患者さん達から、 他に4人もの医師が話した中で「一番良かった」と言われてホッとしたのを覚えています。
その後のキャラバン隊は、 9月に北海道6ヶ所での講演会・交流会を終え、10月には東北キャラバン6県、 群馬、 栃木、 岐阜での講演会、 そして九州キャラバン5ヶ所を予定しています。 もちろん私は行けるところは極力行って患者さん達と寄り添ってきたいと思います。
現在、 北海道と東北でのキャラバンを終えた感想は、 北海道や東北などの地方へ行く ほど中皮腫に対する認識が希薄な病院が多く、 治療法は元より社会保障について教えてくれない病院も少なくないそうです。現に東北地方における中皮腫の労災、 救済法の認定率は患者の60%程度で残りの患者さんは社会保障を知らないまま治療をしています。また、地方に行けば行くほど周りには同じ中皮腫患者と出会う確率は皆無に等しく、 一人で悩んだり落ち込んだりしてネガティブな思考になってしまう人も多いようです。
今回、 地方の総合病院や大学病院などの地域連携病院を回ってチラシを持参し周知活動をしたり、 県庁などで記者会見を敢行しましたが、来場された方は思った以上に少なかったこともこのような状況を物語っていると思いました。今後も根強く、毎年活動を重ねて一人でも多くの患者さんに寄り添っていきたいと思います。

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