辺野古からの通信ー6 /宮崎史朗(全港湾建設支部)

辺野古ゲート前の闘いは大きな変化はなく、毎日の座り込みが行われているように見えます。1日500台弱の工事車両、その多くはダンプ、しかもその6割が埋立用土の搬入。埋立が一応完了した辺野古地区へ積み上げています。大浦湾側の埋立用土のストックです。
11月13日、突如NHKが、辺野古崎で新規の埋立て、変更承認後(代執行後)では初めての埋立工事が始まったと報じました。

ここは、1月から搬入が始った栗石によって4月ごろまでに護岸で囲い込まれた弾薬装填場になるところです。6か月前から埋立は可能だったといえますし、変更承認が必要だった場所でもありません。地元2紙は明確に否定していますが、NHKは代執行により工事ができるようになったので土砂投入と報じています(写真は弾薬装填場付近の上空から)。工事が急ピッチで進んでいるとアピールしたい素振りが見え見えです。
現場でみていると小さい事ですが気づきます。11月に入って、美謝川切替工事現場から発生した搬出土を新基地工事現場内へ搬入し始めました。また、11月12日から最大積載荷重20t超のトレーラ式ダンプが前後に10tダンプを従えて3台一組を作って搬出入を始めました。今のところ1日12セットほどのわずかな台数ですが。国道事務所の許可条件を確かめるなど超大車両による搬入に歯止めをかけたいと思います。

美謝川口を出ようとする土砂搬出のダンプ これが工事用ゲートから入ります

米下院議員が会計検査院へ
辺野古新基地建設で報告要請

10月下旬、吉川秀樹さん(OEJP:Okinawa Environmental Justice Project)がテント村集会で以下の報告をされました。
OEJPはかねてから米国連邦議会軍事委員会メンバーに、辺野古新基地建設について状況と問題点を報告してきました。海底地盤が軟弱で大規模設計変更が必要であり、沖縄県知事は変更承認を拒否していること、軟弱地盤や環境破壊について検証し、この計画の撤回と普天間飛行場の閉鎖を要請しました。
日米両政府は沖縄県民と県知事の反対にも関わらず辺野古新基地建設を主張し昨年12月国交大臣が代執行し設計変更を承認しました。しかし、米軍や米議会で深刻な懸念が出ています。そして、24年6月下院軍事委員会ジェームス・モイラン議員(グアム選出共和党、24年11月再選)が、米政府会計検査院(GAO)に軟弱な海底地盤や活断層に関連した問題について報告書を求める書簡を送りました。同書簡は、①同プロジェクトの進捗状況の詳細な説明、②2024年1月以降に直面した課題、③現場周辺の海底状況と補強工事の詳細説明、④地盤補強工事が海兵隊の将来活動に影響するかどうか、⑤海底地盤が不同沈下することで米国の長期的な維持費を増加させるかどうか、⑥断層が施設の構造安定性に影響するかどうか、⑦建設遅延や予算超過の関する評価、以上の要素を含む報告書を完成するよう要請する、というものです。
辺野古新基地建設が莫大な費用を投じても完成するかどうか、もし完成したとしても使う側(米軍―米国民)がその維持費に耐えられるのかと言った問題すら提起されているのです。野党が増えた日本の国会が、国民の税金の使途という観点からも追及、究明されることを期待しています。

カジマヤーのお祝い

数え年97歳のお祝いをカジマヤーと言います。現在も週一回はゲート前で座込む沖縄市民会議の仲井間小夜子さんを、100人の仲間がメインゲート前テントに集い、三線やかぎやで風の踊りでお祝いしました。仲井間さんは10歳の時サイパン島に行き、1943年ロタ島に移住しました。翌年からの南洋諸島への激しい空襲、艦砲射撃に晒され大怪我を負いながらも生還されました。教員退職後も平和ガイドとして活動を続けておられます。辺野古新基地建設強行に対して、地元の沖縄市民会議に参加され抗議行動を続けてこられました。元気なおばあと一緒に闘う参加者は、今後もさらに頑張る決意を新たにしました。

カジヤマーの様子

前号でも同じ書出しがありましが、11月15日琉球新報の一面見出しを紹介します。

沖縄の地元紙ならではとして見過ごさないで欲しいと思います。一日に2件もこんな事件があるなど、沖縄への構造的差別の発現そのものだと思うからです。
不時着した場所は、観光地でもある辺戸岬公園の近くで、国道58号線のすぐ横の牧草地です。月並みな言い方ですが、ほんの少し位置が違えば大惨事は免れません。米軍が規制線を張り外周を沖縄県警が規制し、国道も通行止めにしました。約20時間後に離陸しましたが勿論米軍からの説明はありません。
奄美空港への緊急着陸は予防措置だったというのです。屋久島沖の墜落事故(8名全員死亡)は23年11月29日でした。この大事故の1年も経たない時点での、しかもすぐ近くと言っていいところでの事故です。飛行を直ちにやめてオスプレイを撤去するよう求めます。
日当発言の島耕作にも一言。4、5年前、地元ヘリ基地反対協の共同代表から、生活大丈夫と心配の言葉を掛けてもらいました。当り前に質素な生活ですが、労働組合や地域の仲間、家族からカンパも貰っており、蓄えも大して取り崩さずやれてますよと答えた記憶があります。島さんも私を取材したら良かったと思うんですが。(11/17記)

みやざき・しろう:全港湾建設支部 辺野古基地反対闘争支援で沖縄滞在中

関西労災職業病2024年11・12月560号