辺野古からの通信ー2/宮崎史朗(全港湾建設支部)

「11.23県民平和大集会」が那覇市奥武山公園で、1万人を超える参加者のもと開催されました。翌日の琉球新報は一面トップ記事で伝えました。

いうまでもなく、昨年12月の安保関連3文書が閣議決定されて以来(勿論その前からもいろいろな仕掛けはされていましたが)、急速に琉球弧の軍拡が進んでいます。集会大会宣言は、「与那国、石垣、宮古の島々に限らず沖縄島や奄美、馬毛島に至るまで自衛隊基地が建設されミサイルや弾薬が持ち込まれています」と訴えています。

当日は午前10時過ぎに名護を車で出発、途中、モノレールに乗り換え会場に向いました。午後1時ごろから4時半まで芝生に座ってはいましたが、老人には少々堪える集会でした。若者が主体的に参加しシニア世代と手を取り合って作ってきた集会らしい時間の流れでもあったと思います。琉球新報は「新たな戦争 NO 抵抗表明 市民主導」「脱政党・労組で初結集」と見出しで報じました。

集会舞台、司会の若手・神谷美由起稀と瑞慶覧長風

間違いなく新たな取り組みだったと思います。その限りで少し不協和音があるようですが、毎日、辺野古のゲート前で座り込みを愚直に行っている者たちから見たら、「どんな立ち位置から何をするための発言(批判)ですか」と問いたいと思います。11月25日付け琉球新報に喜納えいかさん(ボーダーインク編集者)の寄稿があり、その一部を引用させていただきます。

-SNS上で今集会のロゴを巡り指摘があったことが報じられた。人は誤るし、運動体も誤る。それを自明のものとして、「何かあれば迅速に訂正してアップデートを続け、時代に沿っていく」ことが肝要だと思う。運動はまだ続く。私たちの胆力が試されている。-

「対話による信頼こそ平和への道」と訴えた11.23大集会の意味を反芻しながら、辺野古新基地建設阻止を訴えていこうと思います。

辺野古新基地の変更申請不承認は大詰めにきています。国は最高裁判決後、県知事にたいして、承認せよとの勧告、従わないとみるや承認せよとの指示を矢継ぎ早に発し、知事が承認しないとみるや、10/5福岡高裁那覇支部に代執行訴訟を提起しました。
10/30第1回口頭弁論で玉城知事は「沖縄県の自主性及び自立性を侵害することになる国の代執行は、到底容認できない」として、特に3点を主張しました。

①国と県との対話の必要性、②「公益」の前提である「辺野古が唯一」との考えは必要性・合理性を欠くこと、③県民の民意ことが「公益」として認められなければならないこと。

即日結審しましたがまだ判決の日は決まっていません。(注:12/20に承認を命じる判決がでた)

この間にも防衛局が沖縄県と県民を騙していることが明らかになっています。しんぶん赤旗日曜版(10/1)が、防衛局は軟弱地盤の耐震設計を新基準(2018年)で作成したと説明しているが、実は旧基準(2007年)だったことをばく露しました。変更申請で嘘の説明をしているということで、護岸の安全性にも大きな疑義があることになります。

また、11月1日付け共同通信は、防衛局が2007年に大浦湾の軟弱地盤について民間業者から広範な調査が必要とされたにも関わらず調査しなかったと報じました。そのうえ、防衛局は埋立承認申請では広範な軟弱地盤は存在しないとしており、嘘をついていたのです。同局は県を騙して承認を取り付けたことになります。仲井間知事(当時)の承認そのものの違法性が改めて浮き彫りになっています。

11.23大集会の翌日は金曜日とは思えないほど座込みに多くの方が参加されました。大集会参加の方だと思われますが、辺野古からも島袋文子さん(ふみこおばぁ94歳)と大城敬人(名護市会議員82歳)も参加され、新基地反対を訴えられています。辺野古現地は闘いの手を緩めてはいません。頑張りましょう。

11/24ゲート前の島袋文子さん、大城さん
11/24辺野古ゲート前 韓国の若者たちが踊りを披露してくれました

みやざき・しろう:全港湾建設支部 辺野古基地反対闘争支援で沖縄滞在中

関西労災職業病2023年11・12月549号