関西糖尿者安全センターだより vol.5 栄養指導① 事務局/種盛真也

みなさん、日記は書いてますか。私は、普段は別に書かないのですが、糖尿での入院時は、時間が有り余っていたので、日記を書いていました。このコラムは実はそれを参考に書いていた、と言いたいところなのですが、結局興味のあることしか書かないので、2日目からは食事の記録になってしまっており、役に立ちませんでした。
今回は、入院時の栄養指導について紹介いたします。
1.ゆっくり食べる
糖尿病は、Vol.2で書いた通り、何らかの原因で血糖値が高くなる病気です。それで、その原因として大部分を占めるのが、膵臓が機能不全になることで、インシュリンという、血中の糖を細胞に吸収させたり、余分な糖を貯蓄用の物質に変える働きをするものの分泌が悪くなることです。要は、糖尿病患者は、血中の糖を調整する機能が落ちているということなのです。
従って、不適切な食事をすると、Vol.2や3で書いた高血糖や低血糖になって、大変なことになってしまいます。なので、食事、特に血糖値を上昇させる炭水化物は、かなり厳密に適正な量を摂らないといけません。よって、糖尿病患者やその家族への栄養指導は、病気の治療と同じぐらい重要なものである、というか栄養指導自体も治療の一環であると言ってしまってもよいでしょう。
私の入院中に、栄養指導は2回ありました。1回目は、入院して最初の食事の前に、私の病室での、5分ぐらいの軽いレクチャーでした。病院での食事は栄養が調整されているので、ここでは食事の仕方を教えるということで、ちょっと身構えたのですが、教えてくれたのはただ1つ、「ゆっくり食え」ということでした。一気に食べると急激に血糖値が上がって、血糖の分解が間に合わず、高血糖状態になり、また、高血糖状態になると、今度は体から大量のインシュリンが出て逆に低血糖状態になったりするから、とにかくゆっくり、できれば20分以上かけて食べてくれとのことでした。その言葉を胸に刻んだ私は、最初の食事を、出来るだけゆっくり時間をかけて食べ、5分で済ませました。この辺が、糖尿病になる所以なのでしょう。結局、退院するまで、食事を食べる際に7分以上かけることはありませんでした。
ちなみに退院後は、最初から料理が全部あるとすぐに食べてしまうので、1品作って食べる、また1品作って食べるという形にすることで時間稼ぎをしています。それで良いのかはよくわかりませんが、まあ血糖値が基準値にほぼ収まっているので問題ないのでしょう。
私の食事時間と同じで短いのですが、2回目の指導の話がちょっと長くなるので、一旦ここで区切らせていただきます。次回は2回目の指導と、その指導をちゃんと守っているかのチェックの話をします。(つづく)
関西労災職業病2025年3月563号
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