関西糖尿者安全センターだより vol.1  発覚 事務局/種盛真也

皆さん、甘いものは好きですか。私はあんこの入った食べ物が大好きなのですが、今年、2024年の4月、医師から食べることを禁止されてしまいました。理由はタイトルの通りで、糖尿病を発症してしまったためです。自戒をこめて、3回ほどに分けて、そのへんのいきさつや、糖尿病の何が悪いのか、どんな生活の指導をされたのか等をできるだけ安全衛生に絡めて紹介したいと思います。第1回は、糖尿病の発覚について。

1.発覚

去年の2023年4月、私は関西労働者安全センターで働き始めました。
その事務所の打合せスペースには、相談者や事務局員の持って来たおかしだったりがほぼ常時置いてあり、また、団結精神にのっとって、それらのものはいつでも誰でも食べられる状態になっています。なので、私はそこを通りかかるたびに何かをつまんで食べながら、のびのび働いておりました。
そんな感じで1年過ごした2024年4月に、私は家の近所の病院で、年1回の定期健診を受けました。検査を終えた後、看護士さんに笑顔で「2週間後ぐらいに結果を郵送します」と言われ、私は「わかりました!」と笑顔で返して病院を去りました。
翌日、知らない電話番号から電話がかかってきました。
「至急、再検査を受けてください」
それは病院からの電話で、理由を聞くと、血糖値とHbA1c(糖化ヘモグロビン、血糖値が習慣的に高いと、全体のヘモグロビン量に対して割合が多くなる)の値が見過ごせないぐらい高いということでした。
数日後、再検査を受け、医師から言われたことは、「この病院ではこのレベルの糖尿病は処置できないから、大きい病院でさらに検査を受けてどうするか聞いてくれ。多分、教育入院ということになると思う」ということでした。
ちなみに、値がどれぐらいだったかというと、血糖値は350mg/dl、HbA1cは14%でした。血糖値は空腹時血糖なので、100mg/dlを超えると甘いものを控えろと言われ始めます。HbA1cは、6%を超えると生活習慣を見直してと言われ始めます。それが私ぐらいの値になると、入院と言われるわけですね。

2.健康診断の重要性

さて、新大阪駅近くの大阪回生病院に紹介状を書いてもらい、再々検査の後、見事に入院と言われるのですが、ここで皆さんに伝えたいことがあります。それは、定期的な健康診断って大事ということです。
今回、私は、自覚症状がほぼありませんでした。糖尿病は自覚症状として、体のだるさ、疲れやすさや、食事をした後の吐き気、のどの渇き、頻尿などがあります。ですが私は、頻尿はちょっと感じていたものの、暑くて水分を多めにとっているからぐらいにしか思わない程度のもので、ほかの症状は全く感じていませんでした。でもそんなでも、検査の翌日にすぐに電話されたり、入院だと言われるレベルの値になっていたわけです。
糖尿病はひどくなると、手や足の指先から壊死していったり、失明につながったりします(この辺の詳細は次回以降)。しかし、私は2024年9月現在、幸い、そのようなことにはなっておりません。それはひとえに、健康診断で早めに見つかったおかげでしょう。
山登りをするときに休憩するコツは、疲れたと自覚する前に計画的に休むことだと元山岳部の知人に教わったことがあります。みなさんも、人生という山登りを楽しむため、自分は健康だと思っているうちに、定期的に健康診断を受けましょう。(つづく)

関西労災職業病2024年9月558号