関西糖尿者安全センターだより vol.2 危険性 事務局/種盛真也

皆さん、お米は好きですか。私は、米をおかずに米が食べられるぐらい好きなのですが、2024年10月現在、栄養士の先生から、一食半合だけ食べよと厳命されてしまっています。多くても少なくてもいけないそうです。
前回の記事では、健康診断で私の糖尿病が発覚し、緊急入院する直前までのことを書きました。今回は、入院の話の前に、糖尿がどんな病気で、何が危険なのかをお話いたします。

1.糖尿病って何

まず、糖尿病とはどういった病気なのでしょうか。字面だけ見て、尿が甘くなる病気だろうと冗談半分で言う人がいますが、実はそれで正解です。
糖尿病とは、要は、何らかの原因で血中の糖濃度(血糖値)が高くなる病気です。その結果、血液やそれから作られる体液(汗、乳、尿など)が甘くなります。
それだけなら楽しい病気だったのですが、この血糖値が高いことで色々悪い影響があるので問題視されているわけです。

2.糖尿病の危険性

(1) 高血糖の短期的な危険性

処方されたインシュリン2種類

血糖値が高い状態だと何がまずいのか。それは、短期的な影響と、長期的な影響の2つに分けられます。
まず短期的な影響ですが、大きく3つほどあります。
1つに、のどが渇きます。人間の体は、のどの渇きを測る際、血糖値を一つの基準としています。血糖値が高い=水分が足りてないと判断するわけですね。
2つに、頻尿になります。人間の体は、余分な糖分を尿として排泄しようとします。なので、血糖値が高いと小便をしろと体が指令を発します。
3つに、体がだるくなります。血糖値が高いということは、血中のブドウ糖が細胞にあまり吸収されていない状態である場合がほとんどです。ブドウ糖は細胞が動いたり増えたりするために必要な成分の一つなので、それが細胞内に不足していると、体を動かすのがしんどくなります。また、前述の頻尿のせいで、脱水症状を起こしがちになり、それもしんどい理由の一つです。
これら3つの影響は、字面ではたいしたことないように思えますが、実はかなり大変なものです。私は、今回(2024年4月発覚)の糖尿病では自覚症状がほぼなかったのですが、実は4年前の2020年8月にも、糖尿病で入院しています。その時は、症状がかなりひどいものでした。
のどの渇きについては、入院する直前、私は、1日に麦茶3リットルと水1リットル、牛乳2リットルを飲んでいました。8月というのもあったのですが、飲んでも飲んでものどが渇くのです。
次に頻尿ですが、1時間に1~2度、トイレに行っていました。起きている間だけではありません。寝ている間も、およそ1時間に1回小便がしたくて目が覚めていました。なので常時寝不足でした。しかも、あまりに小便に行くので、尿は出ないこともありました。でも、小便がしたい気持ちだけがある状態です。
そして体のだるさですが、当時の勤め先の工場で、1階から2階に上がるのに、踊り場で小休止していました。また、自転車で通っていたのですが、川を超える橋に登るための坂を登り切れず、途中で自転車から降りて押していました。
このように、大変にしんどい状況だったので、さすがに仕事を休んで病院に行ったら、血糖値540mg/dlと測定され(食後血糖だったので基準値はおよそ170mg/dl以下)、緊急入院だと言われました。今回と似たようなことを言われています。成長しませんね。
このように、日常生活がままならないほどの症状が出ていました。しかし、実は糖尿の本当の危険性はこれではないのです。むしろ、これらの症状のおかげで自覚して病院に行けて、後遺症も残っていないので、良い結果になっているとさえ言えます。
自分の症状の説明が楽しくなって長くなってしまったので、今回はこの辺にして、残りの危険性については次回説明します。(つづく)

関西労災職業病2024年10月559号