労災平均賃金が2倍に/「一人親方」労災特別加入制度が「労働者性」否認ツールになっている実態暴露~当センター取組み事例を毎日新聞が報道
一人親方の労災特別加入制度に加入していた左官工が肺がんを発症し労災請求を行った。
特別加入をしていたのだが、実態は労働者であることが明らかであったため、証拠資料を示して労働者としての取扱を労基署に求めたところ、労基署はこれを拒否。「特別加入をしていたんだから」という理由だけで、特別加入の給付日額(実際の賃金額よりもはるかに低額)で休業補償を支給決定したため、審査請求したが棄却され再審査請求でも棄却となったため、処分の取消を求めて提訴した。
ところが、提訴直後一転して労基署・厚生労働省が労働者性を認め、正当な労働者賃金での支払いを行ってきた。
ここに至るまで、非道、不当な対応を続けた当事者は、三重県の伊賀労基署、三重労働局である。詳報はおっておこなうが、この事件について、毎日新聞がデジタル記事にて大きく報道(大島秀利記者)したのでとりあえず紹介しておきたい。
雇われのはずが親方? 健康被害の男性が補償額2倍を勝ち取るまで(毎日新聞 2022/12/11 有料記事)
同様の問題は、過去に何度も起こっている。労災特別加入の当事者が多い建設業界はアスベスト被害多発業界であり、「労災特別加入」であることをたてに労働者性を形式的に否定して不当に低額な労災平均賃金としてしまう問題には、抜本的な対応が必要だ。
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