新型コロナウィルス感染症・労災申請400件超、労災認定は54件。不支給はゼロ件(2020/7/2)-労災申請は積極的に!迷ったら相談を!

厚生労働省の5/12の段階で、労災請求件数29件、認定ゼロ件だった新型コロナウィルス感染症労災認定状況が、ここにきて、ようやく請求件数が増えてきた。公表されている最新数字(2020年6月30日現在)では、労災請求件数433件、うち労災認定(支給決定)件数54件で、結果が出たもので認定が拒否された不支給事案はいまのところで出ていない。

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まだまだ低い請求件数と認定率

請求件数が約2ヶ月で400件増加したといっても、対象と想定される患者数から考えるとまだまだ少ない。指摘されているのは、所属する事業場(会社、病院など)の非協力や無理解によって、労災申請しようにもできないのではないかということ点だ。

労災認定件数/労災請求件数=54/433= 12.5 %

このうち、
「1.医療従事者等」では、37/358= 10.3 %
「2.医療従事者等以外」では、17/75= 22.7 %

この段階では、医療従事者の方がむしろ認定率が低い傾向があるのが気にかかるところで、特に配慮して迅速に認定すべき医療従事者の労災請求への対処が遅れるようなことがあってはならないだろう。

公務労働者の申請、認定状況

地方公務員の公務災害申請を判断する地方公務員災害補償基金が公表している最新の数字(2020年6月23日現在)では、公災申請件数31件、認定件数5件となっている。どうして、このように低い数字になるのだろうか、というのが正直な感想だ。いずれにしても、申請のあった事案については、より迅速に認定作業をするべきである。

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「新型コロナ労災隠し」状態の早期解消を

以上のような状況は、いわば、「新型コロナ労災隠し」状態といえるだろう。

全国労働安全衛生センター連絡会議は、新型コロナ労災についてのこうした政府の消極姿勢を早急に改めるべきだとしている。

「労災かくしは犯罪です」

政府関係当局の消極さがにじみ出ていると言わざるを得ないだろう。
とりわけ、把握している医療機関の集団感染事例85件のうち、労働者死傷病報告を受理した件数は13件(15.3%)、労災請求があった医療機関の数が11件(12.9%)、社会福祉施設等における集団感染事例61件のうち、労働者死傷病報告を受理した事例7件(11.5%、報告件数合計18件)、労災請求があった事例7件(11.5%、請求件数合計15件)という事実がわかっていながら、「勧奨に努めている」だけなのはなぜなのか。
労働者死傷病報告について言えば、厚生労働省が経済団体等に対する5月15日付けの要請にあたって特別のリーフレットも作成して、「新型コロナウイルス感染症による労働災害も労働者死傷病報告の提出が必要です」と示したものである(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000631412.pdf)。
法的根拠は労働安全衛生法第100条第1項に基づく労働安全衛生規則第97条であり、罰則(50万円以下の罰金-同法第120条第6項)も定められ、違反-報告をせず又は虚偽を報告をした場合に対しては書類送検することもできる。厚生労働省は、「『労災かくし』は犯罪です。『労働者死傷病報告』の提出が必要です。」、「正しい保険で安心治療。労働災害の受診は労災保険で!!労働災害に健康保険は使えません」とキャンペーンもしてきたのである(https://www.mhlw.go.jp/general/seido/roudou/rousai/)。
厚生労働省には、法令の執行が求められているのである。

特集/新型コロナウイルス感染症と安全衛生・労災補償③-2020年7月1日 https://joshrc.net/archives/3899

東京の新規感染者数は、7月2日に再び100名を超えたと伝えられている。海外での新規感染者増加傾向は明確でもあり、国内のあらたな感染の波のおそれを前にして、新型コロナウィルス感染症の労災問題など、第一線労働者をはじめとする労働者の「いのちと健康」をまもる体制を迅速かつ分かり易い形で確立しておくことが何よりも求められている。