アスベスト被害全国ホットライン、フォローアップ中/近畿
昨年12月12日・13日の両日に渡ってアスベスト被害全国ホットラインが開設された。関西では56件の相談が寄せられ、後日、担当者4名でその割り振りを行い、私は7名を担当することになった。その中間報告をする。
まず、相談者全員に電話で連絡をとった。7件の内の3件は、現在、経過観察中で発病している訳ではなかったので、身体的変化や医師からの診断結果により何某かの対応が必要になった時点で、再度連絡をもらうこととした。
残った4件の内1件目は、私の自宅から車で5分程度の近隣で、すでにベリーベスト法律事務所に相談していたが、弁護士が何も報告してくれないことと、何をやっているのかわからないことで不安になり相談したとのことだった。内容は、解体業と工務店に約5年程度勤務し、体調を壊し、済生会病院を受診したところ間質性肺炎と診断され入院をした。結果的には、肺胞蛋白症として医療手帳、特定疾患医証を交付されていることと、ベリーベスト法律事務所が兵庫労働局にじん肺健康管理手帳の申請を行っていることが後日判明した。私は、レントゲンとCTの画像を預かり、みずしま内科クリニックへ読影を依頼し、その結果と兵庫労働局の結果を待って対応するとした。
2件目は、丹波篠山在住の大工さんで、約40年間木造家屋専門で働き、うち約10年間は工務店勤務、以降1988年に独立した。2023年8月頃、突然に咳と声がれがしてきて、近隣の病院を受診したが、大きな病院を受診してくれと、兵庫中央病院を紹介された。受診した結果は「肺がん」の診断で、入院治療のために宝塚市立病院に転院したが、自宅から遠方であることで、丹波篠山市の岡本病院へ転院し、2023年11月に肺がんのため死亡した。2025年1月に兵庫中央病院・主治医に石綿ばく露と肺がんの因果関係について意見を求めに行く予定である。(次号につづく 事務局 林繁行)
関西労災職業病2025年2月562号