初めて「印刷業以外」で労災認定/職業性胆管がんの現在2022
職業性胆管がんの2021年(令和3)昨年度の労災認定状況が判明した。
厚労省は職業性胆管がんの労災申請があると、すべての請求事案を「印刷事業場で発生した胆管がんの業務上外に関する検討会」で業務上外を決定している。直近では2021年11月24日(第33回)に開かれている。
検討結果についてはHP上での公表がされていないため、基本的に開示請求をしないと入手が難しいという不当な状況であるが、当センター独自のルートで2021年度の認定状況データを入手した。
「印刷業以外」で初めての認定事例
2021年度に胆管がんで労災認定されたのは計4件。
うち3件は印刷業だった。
ところが、1件は「印刷業以外」の業種ということで、大阪の印刷会社SANYO-CYPでの胆管がん多発事件以降の2012年度からの職業性胆管がん労災認定事案では、はじめての事例。この方は労災請求時点ですでに死亡されていたとのことだ。
厚生労働省の担当者は「化学工業の事業に従事する労働者で、洗浄剤としてジクロロメタンを使用していたことによるばく露」と説明しているだけで具体的な職種は不明。
印刷業の3件はいずれも請求時点では療養中であり(前年度認定結果と比べると)、宮城局管内1名、香川局管内1名、福岡局管内1名。
香川局管内では初事例となった。
2021年度胆管がんの労災認定結果概要胆管がん2021年度までの認定状況
関西労災職業病2023年1月539号