2021年石綿健康被害ホットラインを実施

2021年12月、例年通り石綿ばく露作業による労災認定事業場の公表にあわせて「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」の全国アスベスト健康被害ホットラインが、16日・17日に実施された。

普段から患者と家族の会はアスベスト健康被害に関して相談に対応しているが、2021年は5月に建設アスベスト訴訟の最高裁判決、続く6月には建設アスベスト支給金法の成立と、2022年に向けて建設労働者におけるアスベスト被害に対する補償の枠組みが確立していく中での電話相談である。

毎日新聞、読売新聞など全国紙が2020年の1年間に石綿関連疾患による業務上認定を受けた事業場の一覧を1面に掲載し、ニュースでも同ホットラインの取り組みを報道してもらったことから、今年は例年以上に相談が寄せられた。東京で130件を超えるなど全国のいずれの相談スポットでも大幅な増加を見せ、昨年の倍を優に超える473件の相談を受け付けた。

関西労働者安全センターが対応するエリアは近畿および中国地方で、二日間で109件だったが、ニュース報道直後の鳴りやまない電話は、設置した4回線では到底間に合わないほどの盛況ぶりであった。

相談は建設アスベスト支給金に関するものが多かったが、労災請求や石綿健康被害救済法にもとづく救済給付手続きも行われておらず、被災者やご家族がご年齢や手続きの煩雑さを理由に未だに何ら請求を行っていないという事案が多く見られた。建設アスベスト給付金制度の設立は、このように「病気に罹患したものの、これまで何も手続きをしていない」という方やそのご家族に対する啓発の役割も担っているととらえることもできる。

また、本年3月27日に請求期限を迎える石綿健康被害救済法の特別遺族給付金についても該当する相談が数件あった。いずれも死亡後20年以上のケースではあるが、肺がんで亡くなった建設労働者であったり、事業場での石綿ばく露の可能性が考えられる中皮腫罹患者であったりするため、まずは請求をしていくことになる。

今回も中皮腫サポートキャラバン隊の右田孝雄代表がNHKのインタビューに対応し、電話相談も受けてくれたため、中皮腫や肺がんの患者さんからもたいへん心強いと好評だった。いつまでも一緒に活動していただけるよう、これからも無理なく明るくご活躍いただきたい。

インタビューをうける右田孝雄さん

関西労災職業病2022年2月529号