アスベスト健康被害ホットライン開催-中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会/全国
2025年12月18日、19日に、中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会が主催する「アスベスト健康被害ホットライン」が実施された。
分かっている限りで、全国4ポイントで受けた電話は155件あり、法改正によって石綿の製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されて20年を迎えようとするが、未だに健康被害が無くならない現状を浮かび上がらせた。
大阪では特に肺がんに着目し、マスコミを通じて呼びかけたところ、相談58件中11件が肺がんに関する相談だった。またそのうち6件は亡くなられたご家族に関する相談で、いずれも5年以上前に亡くなられたケースである。
亡くなられたご家族の肺がんに関する相談は、新聞に掲載されていた工場に亡父の働いていた会社があったことで相談されたケースもあれば、石綿健康被害多発事業所工場で働いていた亡兄に関する相談、さらに、これまで被害者は確認されていないが、製缶工場で働いてた経験のある亡父について石綿が原因だと考えられないかという相談もあった。いずれの被災者も工場労働者である。建設作業従事者の相談が多いと予想していたが、建設業以外からの労災認定事業場数が「令和6(2024)年度石綿ばく露作業による労災認定等事業場」公表においても1257事業場中455事業場であったことからも分かるように、建設労働者ばかりが被害者となっているわけではなく、3分の1強が建設業以外でのばく露が原因で労災が認められているのである。
一方、中皮腫については6件の相談が寄せられ、すべての被災者が建設関連労働者であった。ホットライン直前に発症したケースが2件あり、早急なフォローが必要である。すでに亡くなっているケースは2件あり、時効救済が1件、昨年末に亡くなってこれから労災請求を行うものが1件である。これらについても今後支援が必要になるため、昨年末から相談者に連絡してフォローに務めている。
また、中皮腫でありながら医事課やMSWから何ら説明を受けず、未だに健康保険で療養を続けているケースもあった。昨年も島根県などもともと労災・救済件数が少ない地域で中皮腫罹患者が健康保険で療養をしていたケースがあったが、今後も病院に対しての働きかけを怠るわけにはいかないことを改めて実感した。
今回は吹田済生会病院で療養されている方が4人もいた。このように医療機関が重なることはホットラインでは珍しい。この病院は大阪市東淀川区や吹田の地域中核病院であるため、かかりつけ医が呼吸器系の精密検査が必要と判断した場合、ここが紹介されるものと考えられる。近年この病院の周辺地域からの相談が増えていることもあり、吹田済生会病院とも連携を深めることができればと考えている。
関西労災職業病2026年1月573号

