過労死等テーマに労働局と懇談会開催~過労死防止センター/大阪
9月2日、過労死防止大阪センターは大阪労働局との懇談会を行った。
過労死防止大阪センター結成以来、毎年開催されており、大阪労働局側は嘉副宗夫監督課長、西山勝範労災補償課長など5名、過労死防止センター側は、代表の松丸正弁護士など6名が参加した。
あらかじめ過労死防止センターより協議事項を提出し、当日それに労働局側から回答し、その後質疑する形で協議をおこなった。
協議事項は、監督状況、労働時間の把握についての状況、医師の面接指導の実施状況、ストレスチェックなど多岐にわたった。
関西万博への労働安全衛生対策指導については、令和5年に国際万博博覧会会場整備工事安全衛生連絡協議会を発足して長時間労働対策等をすすめ、現場パトロールを実施したり、労働局長から万博協会会長に労働関係法令を重視するよう文書を出すなどしたとの回答があったが、実際の労働災害の把握状況については回答できないということだった。労働時間を自己申告制としている事業所についての実態把握方法や医師の面談の実態については労働局が把握していないことも多く、議論となった。
労災補償状況については、労働局側は昨年の懇談会では前年度の大阪の労災補償状況を文書資料で配付したが、今回令和6年度分の資料を文書で配布することはせず、協議事項での質問事項に口頭で答えた。今回特別になにかがあったわけでもなく、「全国の傾向と変わりがないので必要性がない」など大阪の補償状況を報道発表しない理由としてこれまでも答えていたものと同じ回答をした。特に秘匿するべきデータでもなく、大阪は全国合計の約一割の件数を締めており、積極的に公表するべきだろう。
精神障害の労災認定で心理的負荷強度「中」の出来事が複数あって、総合判断で「強」とされて支給決定を受けた案件は7件あったということだった。これまで3件程度であったので、増加しており、すべて「仕事量の大きな変化を生じさせるできごとがあった」との組み合わせだったということがわかった。
大阪の精神障害の労災認定率は昨年度23%と全国平均の30%よりかなり低く、これについての見解も求めたが、適正に判断した結果だとの回答だった。
労災補償については、データを積極的に公表するべきであり、今後もはたらきかけていく。
関西労災職業病2025年10月570号

