新型コロナウイルス感染症の労災の取扱について
医療現場をはじめとして、業務に関連して(業務に内在する危険が現実化して)感染、発症した場合については、労災として認められるものです。
いわゆる「職業病リスト」においても、そのようなカテゴリーが設けられています。
労基則別表第1の2(第35条関係)
第6号1
患者の診療若しくは看護の業務又は研究その他の目的で病原体を取り扱う業務による伝染性疾患
http://www.joshrc.org/~open/kijun/std06-1.htm
第6号5
1から4までに掲げるもののほか、これらの疾病に付随する疾病その他細菌、ウイルス等の病原体にさらされる業務に起因することの明らかな疾病
http://www.joshrc.org/~open/kijun/std06-5.htm
今回の件と類似のケースとして「2009年新型インフルエンザの世界的流行」があります。
当時、厚生労働省は2009年5月11日付け事務連絡「新型インフルエンザに係る労災補償業務における留意点について」を発出しています。
医療現場やその周辺での発症の場合は労災補償について問題はあまり生じないとみられますし、該当すると考えた場合は、きちんと労災請求をすることが大切です。
今回の感染拡大状況とそれに応じた社会的対応をみますと、医療従事者以外の業務上の感染、さらに通勤途上や在宅勤務中の感染による発症が労災補償の対象となるのかが問題になる場合があるのではないかと考えられます。そうした場合はいちがいに労災にならないとするべきではなく、実情に応じてさらに個別の検討が重要になるでしょう。
なお、
厚生労働省サイト 新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
労災補償に関しては次の記載があります。
4 労災補償
問1 労働者が新型コロナウイルス感染症を発症した場合、労災保険給付の対象となりますか。
業務又は通勤に起因して発症したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。
詳しくは、事業場を管轄する労働基準監督署にご相談ください。
労働局・労働基準監督署一覧
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00018.html